アフガニスタンの「穀倉地帯」でバッタの大発生で小麦収穫が脅かされる

2000万人が25年間で最も飢餓の危険にさらされており、農民たちは大群が形成される前に害虫を駆除しようと必死に努力している。

アフガニスタン北部の「穀倉地帯」は、同国の年間小麦収穫量の最大4分の1を食い荒らす恐れのあるバッタの大発生と戦っていると国連が警告した。

干ばつに悩まされ期待外れの収穫が3年続いたアフガニスタンの農民たちは、今年は好転を期待していた。これは、約2000万人が過去25年間で最も飢餓の危険にさらされていると考えられているこの国にとって、切望されていた後押しだ。

しかし、国連食糧農業機関（FAO）の国別代表リチャード・トレンチャード氏によると、主に北部と北東部にある8つの主要農業州の住民にとって、モロッコバッタの大規模発生はおそらく「壊滅的」なものになるだろう。

FAOは、世界で最も経済的被害を与える植物害虫の一つであるモロッコバッタが大発生した場合、同国の主食穀物である小麦が70万トンから120万トンの作物損失につながる可能性があると推定している。

トレンチャード氏は、2021年8月のタリバン政権奪取後にアフガニスタンを襲った深刻な経済危機をさらに悪化させ、バッタの発生により今年と来年はさらなる悲惨な状況が起きる恐れがあると述べた。

「今年は豊作が見られ、わずかな回復が見られ、ほぼ通常通りに戻りつつあるのは初めてのようだった。そして、この地域ではおそらく、非常に多くの農家にとってそうなるだろう」 – 壊滅的だ」と彼は言った。

「他の地域ではうまくいくだろうが、穀倉地帯であるこの地域では、まさに…心が張り裂けるようなものだ。」

アフガニスタンは最近の歴史の中でモロッコバッタに2回遭遇している。1回目は1981年の発生で国の収穫量の約4分の1が壊滅し、もう1回は2003年でバッタ防除の強化により収穫量の8％がわずかに減少した。プログラム。

しかし、タリバンがアシュラフ・ガニ政権を打倒し、海外援助が打ち切られて以来、農業省のバッタ駆除プログラムは機能不全に陥った。モロッコバッタは常に存在しており、発生には特定の条件が必要なだけであるため、この国は脆弱なままとなっています。

先月初め、畑がイナゴの絨毯で覆われ始めていることに気づいて以来、バダフシャン州、サレプル州、クンドゥズ州などの被害地域のコミュニティは、伝統的な方法を使って害虫を駆除するために結集した。

トレンチャード氏によると、その多くはFAOの支援を受けて、現在、何千人もの人々が、ホッパーバンドとして知られる思春期のバッタの群れを溝や防水シートに一掃して埋めようとする「骨の折れる」作業に従事しているという。

この取り組みにより、最大170万トンの小麦が失われるという最悪のシナリオは回避されたと考えられている。しかしトレンチャード氏は、その範囲は限られており、多くの人にとっては「少なすぎるし、遅すぎる」だろうと警告した。

「そうすれば何百万ものバッタが殺される。問題は何十億ものバッタがいるということだ」と彼は言う。

北西部バドギス州ではすでにピスタチオ果樹園が壊滅状態になっていると伝えられている。過去 1 週間で 2 つの地域で最初の成虫の出現が報告されており、これは今後 6 週間以内にバッタの群れが始まり、それぞれの群れが 4 ～ 8 週間続くことを意味します。収穫も３週間後には始まる予定だ。

トレンチャード氏によると、農家、地元の援助団体、FAO、農業省は現在、ホッパーが成虫になって群がる前に、できるだけ多くのホッパーを殺そうと競い合っているという。しかし、これは脅威を取り除くものではなく、影響を軽減するものです。

トレンチャード氏は「（感染拡大は）重大な影響を与えるだろう。疑いの余地はない」と述べた。「その影響がどれほど大きいか…彼らが群がり始めて、どこへ行くかを見るまではわかりません。」

モロッコバッタは約 150 種の植物を捕食し、そのうち 50 種は食用作物であり、そのすべてがアフガニスタンに生息しています。その群れは 1 日に最大 150 マイル (250 km) をカバーすることができます。

また、ほとんどのバッタよりもはるかに多くの卵を産んだとトレンチャード氏は述べた。「ある年から次の年にかけて、乗数は約 10 になる傾向があります。したがって、2023 年よりも 2024 年の方が心配です。2023 年は悪いですが、2024 年は、もし制御されなければ、本当にひどいことが起こるでしょう。」

それを避けるために、FAOは9月から展開される化学処理に向けてすべての準備が整っていることを保証するために緊急にさらなる資金を必要としていると同氏は述べた。世界食糧計画を通じて提供される食糧支援（今年は削減された）は維持されなければならない、と同氏は付け加えた。

国連によると、2023年のアフガニスタン人道対応計画では、同国の緊急ニーズに46億ドル（36億5,000万ポンド）を求めているが、これまでのところ、必要な資金総額の6.6％にあたる3億300万ドルしか受け取れていない。